「時間と交換できるもの」
ちょっと変わった
砂時計があります。
その砂時計の中には、
たくさんの砂が入っています。
ただ、その砂時計には、
底がありません。
これはぼくたちが
お母さんのおなかの中から
生まれてきた瞬間です。
ぼくたちは、生まれると同時に、
底のない砂時計を受けとります。
ひっくり返したとたん、
砂はどんどん無くなっていきます。
それが人生のスタートです。
だから、
もう一度、ひっくり返すことは
残念ながらできません。
そして、
生きている毎日の中で、
ぼくたちは、
時の砂と交換しながら、
いろんなモノを
受けとっています。
あなたの昨日を
思い出してみてください。
朝、目覚めてから、
次の日の朝、目覚めるまでを。
ごはんを食べることと
時の砂を交換して、
栄養を、
受けとっています。
学校で勉強することと
時の砂を交換して、
知識を、
受けとっています。
会社で仕事をすることと
時の砂を交換して、
お金を、
受けとっています。
友達と遊ぶことと
時の砂を交換して、
友情を、
受けとっています。
愛する人と過ごして
時の砂を交換して、
愛情を、
受けとっています。
ベッドで眠ることと
時の砂を交換して、
休息を、
受けとっています。
そしてまた目覚めて、
時の砂と何かを交換しつづけます。
「生きている」には、
「時間を捧げる」が、
いっしょになって訪れるのですね。
でも、ときどき、
本当は欲しくないもののために、
大切な時間を捧げてしまうんです。
憎むことや
騙すことや
傷つけることと、
時間を交換して、
受けとれるのは
どんなものなのでしょうか。
大切な時間と交換して、
手にするのですから、
価値あるものにしたいのに。
たとえば、お金なら、
分け与えることが、
できるのかもしれません。
たとえば、名誉も、
いずれ譲ることが、
できるのかもしれません。
でも、時間を人に与えたり、
譲ったりすることはできません。
時間を増やすことも、
残念ながらできません。
こうしている今だって、
読むことと時間を交換しています。
何を受けとって
もらえるのでしょうか。
それは受けとるアナタが
何を選ぶかにかかっています。
選ぶものは自由です。
そう、
時間は何とでも交換できます。
たくさんの命の交わりを、
つないで、つないで、
やっと受けとれた時間。
毎回の時間が、最後の一瞬です。
生まれた瞬間に
時間を受けとって、
死ぬまでずっと
時間を交換しつづける。
いつか使い果たしたとき、
永遠の眠りにつくのですね。
できることなら、
一粒でも多くの時の砂を交換して、
幸せを受けとりたいものです。
そのためにも、
時の砂と何を交換するのかを、
ちゃんと考えたいものです。
無駄な時間なんて、
きっとないのですね。
あなたの明日を
想像してみてください。
朝、目覚めてから、
次の日の朝、目覚めるまでを。
あなたは、その日に、
消えていく時の砂と
何を交換したいですか。
もちろん、
選ぶものは自由です。


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